最近様々な分野で「ダイバ―シティ(多様性)」の実現が課題になっていますが
「私」という一人の人間の内面にも多様性があり、いくつもの顔があることに、
誰しも気づきながら日々過ごしていると思います。
無論、解離性同一性障害のように、複数の異なる人格が一人の人間の中に
存在する精神障害もあります。
しかし、そういった障害がなくても、誰しも自分が置かれた立場や接する相手
によって異なる人格を無意識に使い分けて、社会生活を営んでいます。
何かのCMで、「私は、上司であり部下であり子どもであり親であり・・・」
というのがありましたが、上司である私と部下である私、また子どもである私と
親である私とでは、当然違うはずですね。
こう考えると、「私」のいくつもの顔ができるだけ多い方が、人生が豊かになり
そうです。
先日、不登校の小・中学生が日本全国で初の30万人超になったとの報道が
ありました。
不登校の子ども自身も心身共に不調を抱えていますが、その親も抑鬱状態
を呈している場合が少なくないとの報告もありました。
私は、幼稚園時代、小学生時代に身体が弱く休みがちで根暗だったからか、
ずっといじめられる人生を送っていました。
この話をすると現在の私を知る人たちは誰も信じてくれませんが・・・笑
学校に行きたくなくて、熱が出て親から休めと告げられると心からホッとして
ずっと熱が下がらなければいいのに・・・と願ったものです。
小学校の屋上から下を見て、ここから飛び降りたらこの現状から逃げられる
と思いましたが、親が嘆き悲しむだろうと思うと実行できませんでした。
そんなに学校に行きたくなくても、私が子どもの頃は不登校になる事は全く
考えられない時代で、余程の体調不良でなければ這ってでも行くのが、至極
当たり前でした。
その状態から、私がどうやって変化していったかは、またの機会にお話する
として、こういう経験をしている私は、現在の不登校の子どもたちには、別の
「私」の顔を見つけてほしいと思います。
行きたくない学校に私のように無理やり行く必要は無いと思います。
心身不調があるのであれば適切に医療を受けなければいけませんが、元気
なのに学校へ行きたくないのであれば、家にずっと引きこもるのではなく、
〇〇小学校の「私」以外の顔を持てる居場所を、理想を言えば複数見つけて
新しい「私」にいっぱい出会ってほしい。
親御さんも同様です。
「不登校の子を持つ親の会」などもあるようなので、一人で抱え込まないで、
親御さんも、別の「私」を見つけながら子どもさんと一緒に、未知のフェ‐ズに
踏み出してもらいたいと思います。
環境の変化、新たな人間関係、困難な状況・・・
人生に付き物のこれらは、自分も知らない未知の「私」と出会えるチャンスと
捉えていけると、きっと少し楽になれるのではと思います。
それにしても、私のプライベートな面を全く知らない患者さんやさまざまな場で
出会う人から、「息子さんが二人おられる感じが全然しない」とか「忙しいのに
お料理を小まめにされるんですね」と言われ、ご近所さんやプライベートでの
知人からは「鍼灸師さんなんですか〜?そんな風に見えない」と言われる私も、
なかなか多様な顔を持っているようで、非常に面白いです。
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