第25話  ドバイからの不穏な便り 本文へジャンプ
感動的なシーンの数々で私達を魅了したミラノコルティナオリンピックが閉幕、
引き続きWBC、パラリンピックと、平和を象徴するスポーツの祭典に心躍らせ
ている私達が手放しでそれに浸れない事態がイランで起きていますね。
もともと、ウクライナ、ガザ地区での戦闘は続いていて、片や綺麗事のような
平和な世界、片や現実の血塗られた悲惨な世界が、パラレルワールドとして
同時進行しており、今のところ平和な国日本に住んでいる私達は、幾許かは
気にかけながらも、綺麗事のような平和な世界の方に意識が向きがちです。

このシリーズの第8話でご紹介した患者さんが、やはりご主人のお仕事の為、
その後佐世保からドバイに移って1年ほどになります。
佐世保に居た頃まではメールでの遣り取りだったのですが、ドバイに移るのを
機に、彼女がインスタでの発信を始めるからできたら先生も、とお誘いがあり
ついに私もインスタを始めました。
若い先生を中心に、自分の治療院をインスタやYouTubeなどで紹介するのが
当たり前になっている昨今ですが、私は敢えて身バレしないアカウント設定で
「見るだけインスタ」に徹し、彼女とのDMの遣り取りをしています。
彼女のドバイからの動画や写真はとても楽しいものです。
TVでもよく見るドバイの光景は無論、現地での乗馬や船上パーティーを楽しむ
様子、ショッピングや外食の様子など、何よりも、私が少しでも関われて誕生
した彼女の愛娘の成長した様子を見られるのは、心から嬉しいものです。
セルフのお店で食後の食器を現地の人は返却せず置きっぱなしだとか、
トイレの内装はまるで美術館の様で、現地で人気の葛飾北斎の絵が壁面に
飾られている程美しいのに、用を足したら便器の横に取り付けてある小さな
シャワーで自分で洗浄し、ペーパーは流さずにゴミ箱に捨てるとか・・・
日本人には非常にびっくりな話題も満載でした。

ところが、この度のイランへの攻撃でドバイも巻き込まれているニュースに、
すぐに彼女に「大丈夫ですか?」とDMを送りました。
昨年のイランの核施設への攻撃があった時も、彼女たちは日本へ一時帰国
していたので、今回も大丈夫だろうとは思いつつ大変心配でした。
すぐにこのような返信が返ってきました。
「現地ではまだラマダンの真っ最中で、日中は断食をするけれど日が暮れたら
イフタールと言ってデーツと水分から少しずつ食事を再開し日が昇るまで食事
をするので、その日本人にとって珍しい雰囲気を味わおうと、期間限定で開く
砂漠カフェへ、ご主人の会社の人たちファミリーと食事に行っていた。
その後、爆撃がいきなり始まり驚いた。」
平和に慣れている日本人にとっては、日常生活のすぐ傍らでそんな事態が
突然起きるというのは恐怖以外の何物でもありませんね・・・
現在、彼女たちは無事に帰国して、寒の戻りで雪が降った東京が寒過ぎて
今は動かずしばらくゆっくりします、と言っていました。一安心です。

イラン情勢が早く落ち着くのを祈るしかありません。

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