第32話 ハラスメント   本文へジャンプ
最近、「〇〇ハラ」という言葉がよく使われますね。
「セクハラ」、「パワハラ」、「カスハラ」、「モラハラ」、「マタハラ」などは、
耳にする機会が大変多いので、知らない人はほとんどいないでしょうが、
「フキハラ」というのが、このところよく使われるようです。
「不機嫌ハラスメント」ということらしいのですが、確かに、にこりともせず、
不機嫌そうな面持ちで接客する店員さんや、職場やさまざまな場面で、「え?
この人怒ってるの?」と不安になるような人が、残念ながら一定数いますね。

当人にしてみれば、「こういう顔立ちなんだから仕方ないだろう。別に不機嫌な
わけじゃない」と言うかもしれません。

ですが、他のハラスメントも全て、それを受けた人がそう感じるかどうかが
決めてになるので、当人は意識していないことが多く認識の違いが露呈する
こともあります。

そもそも「ハラスメント」とは、嫌がらせとかいじめという意味で、学校での
いじめも
よく友人グループの中でからかってただけ、とかいじってただけと
言うのですが、受けている側は相当辛い思いをしていることが多く、受けた
側が「いじめられた」と感じたら、からかいやいじりは、いじめになります。

ただ、認識の違いとは難しいもので、「髪切ったの?」と上司が若い女性の
部下に言ってもセクハラになると言われると、職場での会話がとても窮屈な
味気ないものになってしまいかねません。
同じ言葉を、嫌な上司ではなくイケメンの同僚に言われると、ハラスメント
どころか、嬉しくてときめいてしまうかもしれず、かなりいい加減と言わざるを
得ない側面もあります。
が、セクハラに関しては、世の男性陣から「やりにくくてしょうがない、一々
これは大丈夫か?と考えるのが面倒で、もう仕事の話以外はしないように
してる」とのぼやきが聞こえてくる一方で、実際に深刻なセクハラについては
声をあげやすくなっていい時代になったとの女性陣からの声もよく聞きます。

少し前まで、今なら一発アウトだろうと思われるようなセクハラ行為が、職場
やさまざまな組織、コミュニティ内で普通に存在していました。
先ほどの学校内のいじめのように、言った方は軽いからかいのつもりが、
言われた方は深く傷ついたり、ほんのスキンシップと称して身体の一部を
いきなり触られたり・・・
そういう時の男性の常套文句が、「触られるうちが花だよ〜」
そう言われて、「私は若くて魅力があるから触られるんだ。嬉しいわ!」と、
女性が思うとでも思うのでしょうか!?
心の中では傷ついてこの上なく気分が悪くても、苦笑いしたり何も無かった
ように振舞ったりするしかなかった当時の女性たちに、当時の男性たちは
徹底的に拒否しないんだから許されてると大誤解をして調子に乗ってた・・・

こういう時代を私も知っていますので、本当にいい時代になったと心から
思います。
「答え合わせをしたい」と記者会見したタレントさんがいましたが、わざわざ
細部にわたって答え合わせしないと解らないこと自体に、想像力の欠如、
相手に対する人としてのリスペクトの欠如を感じます。

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