よく、困難な状況に陥った時、「ああ〜頭が痛い。」と言いますが、
まさに、頭痛は、ストレスと深い関係があります。
頭痛にも、種類があることは、皆様も良くご存知と思いますが、
脳血管疾患の前兆や脳腫瘍などによる脳そのものの異常以外は、
どの種類の頭痛も、ストレスが絡んで起きることが多いと考えられます。
中でも、偏頭痛は、「血管拡張型頭痛」とも言われ、
なんらかの原因で血管が拡張し、周辺の神経を刺激することで起こります。
睡眠不足でも、寝すぎでも起きると言われていますが、
ストレス下にあって、交感神経優位で血管が収縮し続けた後、
ほっとして血管が拡張した時などに起きたりもするのです。
「偏頭痛」とか「片頭痛」とか漢字がまちまちですが、
どちらも、「かたよっている」という意味の字で、
以前は、「偏頭痛は片側にだけ起こる」と言われていた為ですが、
最近では、片側のみとは限らないというのが通説です。
彼も、やはり半端無いストレスを抱えていて、
ひどい偏頭痛に悩まされていました。
お医者さんから薬を処方されて、もう1年以上飲み続けています。
「この薬はずっと飲み続けても大丈夫ですよ。」と言われたので、
素直に従いつつも、「一抹の不安が・・・」と、
頸や肩の凝りも強いので、ご縁あって、当クリニックに来院されました。
まずは、頸肩の凝りをほぐすことが先決です。
大体、頭痛持ちの方は、凝りが激しい場合が多く、
緊張型頭痛というタイプの頭痛も、
デスクワークなどにより、頭を支えている僧帽筋などの筋肉の、
持続的な緊張によるもので、慢性的な凝りが見られます。
ただ、ここで注意しなければいけないことがあります。
緊張型頭痛は、筋緊張によって収縮している血管を、
拡げればすぐ楽になりますが、偏頭痛の場合は逆効果になります。
お風呂に入ると楽になる緊張型頭痛と、却って悪化する偏頭痛。
当然、鍼灸治療も違ってきます。
学校の先生である彼は、月に1回ほどの治療がやっとでしたが、
夏休みの間、いつもより頻繁に来院でき、
その数回で、改善が見られました。
「この1年、薬が手放せなくて、たまに忙しくて飲むのを忘れると、
てきめんに頭痛が起きてたんですけど、最近けっこう忘れてて、
忘れてることを忘れるくらいで。」と、笑顔を見せるほど。
当初は表情も暗かったし顔色も良くなかった彼は、
少し活き活きとしてきました。
昨今の学校の先生は、「生徒に学問や人としての道を教える」
という本来の仕事以外の、雑多な業務や父兄への対応に追われ、
残業も多く、疲弊してうつ病になるケースも多いと、言われています。
先生に本来の仕事に専念してもらえるようなシステム作りが、
待たれますね。
新学期が始まるこの時期、生徒にも自殺が多いと言いますが、
先生方も「不登校」にならないように、
上手く力を抜きながらスタートしてくださいね。
(’15.8)
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