第27話 悲喜こもごもの2020年 本文へジャンプ
激動の2020年も残り僅かになってきました。
東京オリンピックが開催され、日本中がお祭り気分になるはずだった、
地方の津々浦々まで一定の景気回復が期待されていた2020年。
このような、大どんでん返しに見舞われるとは・・・
世界中が未経験で無防備の状態のところをいきなり襲撃してきた、
コロナウイルスに対しては、全く世界中が振り回され続けた1年でした。

最近ついに南極大陸でも感染者が出て、たった1年で地球上の全大陸を制覇
したわけですから、恐るべき感染力です。

ワクチン接種も始まり、今までのデータ集積からの研究も進み、
来年には、人類の英知をかけてコロナウイルス対策がぐっと進歩することを、
期待するしかありません。


でも、どんな時代背景、社会状況にあっても、必ず人々の暮らしは、
明暗を分けるもので、コロナ禍があったからこそプラスに転じた、
或いはアイデアが生まれて、思いもしなかった新たな戦略を得たという
人もいれば、救いがたいどん底に陥って、退路を断たれてしまったという
人もいます。
当クリニックの患者さんにも、以前から課題だったご自分の社内のIT化が、
コロナ禍で一気に加速したとか、コロナ対応の商品開発が当たったとかで、
業績向上につながったという方もおられます。

また、この機会に嫌気がさしていた職場を辞め思い切って転職して、
自分の踏ん切りをつける絶好のチャンスだったという方もおられます。

それに反して、入学以来オンライン授業ばかりで、鬱っぽくなってしまい、
鍼灸治療が唯一の癒しだと言ってくれる大学生もいました。

また、患者さんのご家族の自死という、本当に辛い出来事があった年でも、
ありました。


でも中には、こんなおめでたい患者さんもおられました。
10年近く遠距離恋愛をしていてなかなかプロポーズしてくれなかった彼氏が、
コロナ禍で会えない時間の長さに耐えかねて、ついにプロポーズしてくれ、
クリスマスに籍を入れることになったと。
彼女は仕事の関係で、岡山を離れることができないのですが、
彼氏は岡山で彼女と新生活をスタートしながら、テレワークできるので、
コロナ禍でなかったら絶対あり得なかったと。
「コロナのおかげで結婚できます!」

コロナが感謝されることもあるんですね・・・

それぞれに葛藤したりストレスを溜めたり、泣いたり笑ったりという、
悲喜こもごもの2020年が暮れていきます。
来年は、なんとかコロナの尻尾を掴んで世界中が少しずつ前進していける
希望の光が差し込む年になるといいですね。


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