少し前に「〇〇界隈」という表現が、Z世代中心に流行りましたね。
同じ趣味指向を持つ人たちがSNS上で作るコミュニティのことですが、
その中でも、「風呂キャンセル界隈」というのは、どうも理解に苦しんで
いたのですが、最近、Z世代じゃなくても結構な年齢の患者さんにも、
「風呂キャンセル界隈」の仲間がおられることに気づきました。
今年の暑さは、毎日毎日誰もがもう辟易するほどひどく、確かに1日の
終わりにはヘトヘトですよね・・・
だからなのか、30代、40代、50代、60代の患者さんにも、仕事から
帰ってご飯を作って食べて片づけてTVを観てると、いつのまにか寝落ち
して、一人暮らしなら誰も起こさないし、家族が居て起こされても無視して
寝続け、気がつくと深夜。
そこからお風呂に入る気はせず、朝早く起きてシャワーするのならまだ
いいのですが、身体拭きシートでササっと拭いて出勤するとのこと。
流石にメイクは寝落ちする前にメイク落としシートで拭きとってから寝る
らしいのですが、完全に「風呂キャンセル」です。
毎日のこの暑さ、全身べとべとでお風呂入らないと気持ち悪くないですか
と尋ねますが、気持ち悪さより睡魔の方が遥かに勝ってしまうとのこと。
当クリニックの「風呂キャンセル界隈」のメンバーは、皆お仕事をフルで
されてて、独身の一人暮らしか共稼ぎの方かです。
男性は、晩酌する人は食前にお風呂に入るし、奥様が食事の用意をして
いる間に入る人が多いので、「風呂キャンセル界隈」にはなりにくい。
国は男女格差を無くし、女性の社会進出をもっと進めようとしていますが、
これでは、ヘトヘトの女性が増えるばかりです。
朝から晩までフルに仕事して帰って、一服する間もなく夕飯作り。
食べ盛りの子供が何人もいたら、量もボリュームもハンパない。
食べ終わったらまた片づけて、翌日の弁当の準備や、場合によっては
その合間を縫って、子供を塾に迎えに行く。
最近の若い世代にはすごく協力的なご主人もおられますが、そうでないと、
今のような息をつく間もない作業を殆ど全部女性が毎日しています。
ひととおり終わってホッと座ってTVを観始めると、寝落ちしてしまうのも
無理はありません。
私も、本当にこういう生活を何十年もして介護までそれに加わった時期も
あったので、よくよく、よーく解りますが、「風呂キャンセル」したことは、
一度もありません。(お風呂の中でウトウトしたことは何度もありますが笑)
お風呂には、その温熱効果とわずかながら水圧効果により血行促進し、
疲れている時ほど疲労回復が望めます。
暑い夏でも38度くらに設定してお風呂に入る方が、シャワーで済ますより
遥かに暑さ疲れが取れます。
「風呂キャンセル界隈」の患者さん達にこういうお話をして、お風呂に入る
ようになった方もおられますが、このヘトヘトになる殺人的な暑さが落ち着
かないと、なかなか無理のようです。
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