第20話  美しい瞳で婚活パーティーへ
             〜  結膜下出血  〜
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いつも腰痛の治療で月1回ほど来院している彼女が、
ある日、片方の眼に眼帯をしてやってきました。
「眼、どうされたんですか?」
「こんなになっちゃったんです。」
眼帯をはずすと、白目の部分が真っ赤になって、文字通り「血まなこ」状態です。
「あぁ、結膜下出血ですね。うちに来られる患者さんにちょいちょいおられます。
ついでに治療したら、普通より早く吸収されるよ。」
「そうなんですか?眼科で診てもらったけど、目薬しか出ないし、
何年か前にもなったんだけど、その時は完全に消えるまで
2週間ほどかかったから、人前に出るのが憂鬱で・・・
見たことない人はみんな『どしたん!?その眼!』ってびっくりするから。」
そうなんですよね。白目全体が血液の色そのものになるのですから、
慣れない人は、ぎょっとして当然です。

外傷以外の結膜下出血は、なんらかの原因で、
結膜の下の小さな血管が切れることで起きます。
多少のコロコロ感がある以外は、自覚症状は無く、
視力低下などの危険も無いし、放置していても自然に吸収されるので、
本人や周りの人達の動揺に反して、眼科の先生方には、
さらりと受け流されることが多いようです。
でも、吸収されるのに1〜2週間、長い人で1〜2カ月かかるので、
彼女が言うように、ちょっと人前に出るのがはばかられる・・・
できるだけ早く吸収してほしいですよね。

そこで、いつもの腰痛の治療に加えて、結膜下出血の治療も行いました。
当クリニックでは、こういう「ついで治療」は、すべてサービスで行うのですが、
結構、好評をいただいています。
腰痛の治療といっても、頸や肩の治療もしますので、まず頸、肩の血行を改善し、
美顔鍼に使用する極細の鍼を、出血している眼の周辺に置いて、
温灸器によるお灸で温めます。「合谷」という眼に効くことで有名なツボも、
ポイントになります。

念のため、1週間後に来ていただくと、彼女の眼はすっかり元通りでした。
「先生、すごいですよ。前になった時は、1週間で全体の真っ赤は退いたけど、
重力の関係ですかね?白目の下の方へ溜まったみたいになってる血が
完全に退くのに、そっからまた1週間くらいかかったのに、
今回は、してもらってもう次の日にはかなり退いて、日に日に退いてく感じで、
4日目にはもう完璧でした。クリスマスに間に合ってよかったぁ〜」
「よかったね〜。クリスマスに何かイベントがあるの?」

彼女は30代で離婚をして、40半ばの女ざかりです。
仕事を持っているのでそれなりに充実はしているが、
子供も居ないし、このまま独りで歳をとっていくことに、一抹の不安を感じ始めた。
やはり、人生の後半を共に歩むパートナーが欲しいというので、
最近、熟年向けの婚活パーティーにデビューしたそうです。
クリスマスのころに、またパーティーがあるとのこと。
もともと、大きな眼が印象的な彼女。
出血が退いて、その美しい瞳で素敵な男性のハートを射止めて、
来年には、きっと幸せが訪れることでしょう。
                                        (’14.12)

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