第13話   秋雑感 本文へジャンプ
ようやく秋らしくなってきましたが、今年は本当に災害の多い1年でしたね。
今後こういうのが当たり前になってしまわないかと懸念されます。
地球温暖化が原因だとすれば、なんとかそれを食い止める為の対策を、
世界規模で真剣に研究しなければいけないのですが・・・
どこかの社長さんのように、月に行くというのも夢があってとっても素敵ですし、
今や先進国がこぞって莫大な経費をかけて宇宙開発に取り組んでいますが、
さんざん疲弊させてしまった地球を捨てて、宇宙に移住できるわけじゃなし、
同じお金をかけて、もっと地球の為に何かできないのかと思うのですが・・・
「もう今更、遅いんじゃないの?」という声も聞こえてきそうです。


今年は、昭和を代表する人物の訃報も数多くありました。
なんか、こんな事ばかり書いているともう今年のしめくくりのようですが(笑)

中でも、樹木希林さんの残した言葉の多くが私の心の奥深くに自然と、
ストンと入ってきた感じがしました。何故ならば普段、私が感じていることを、
そのまま代弁して下さっている様な気がしたからです。
「自分を変えようとしたりすごく見せようとしたりしなくてそのままでいい。」

「有難いという字は、難が有ると書く。人は何故生まれて来たかというと、
難を受けて成長する為。だから有難いのよ。」        
     
「自分でコントロールできないものは気にしない。 癌だってそう。
病気のような悪い物の中に見えてくるものがあるし、
健康だと見えないものがある。」 
「自分が生きてることで、自分が出したゴミで他人の迷惑にならないように
したい。」                      
不登校の子供たちを支援するNPOに招かれた講演では、
「この世で必要とされない人は一人もいないのよ。
必要とされる時が必ず来るから、それまでフラフラ生きてなさいよ。
何かになれなくてもいいの。とにかく生きる意味は必ずあるから。」 
これらは、希林さんが亡くなった後、TVなどで紹介された言葉ですが、
日常生活で触れあった方達の多くは、さまざまな場面でもっと色々、
彼女から聞いていると思うので、どなたか「樹木希林語録」なるものを、
出していただけないかと思うくらいです。
 

「万引き家族」を観に行った時はまだふっくらされて、
このお婆さんの役は絶対に彼女以外には居ないなと思いました。
ドラマや映画で、常に独特の存在感を醸していた彼女は、誰しもが認める、
唯一無二の女優さんでしたが、その生きざまや哲学がやはり全て、
その人物の存在に投影されて、深い味わいを添えていたような気がします。


もとより、そんなことは不可能でしたが、1対1でゆっくり彼女の話を、
聴いてみたかったなあとしみじみ思う秋の夜長です。 
                                  
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