第20話 人を攻撃してる場合じゃありません 本文へジャンプ

ゴールデンウイークを目前に控えて、ついに47都道府県全域に、
緊急事態宣言が発出されました。
東京での感染者数は桁違いに多く、恐怖すら感じる勢いとなってきました。
地方都市でも、毎日のように感染者が増え続け、
わが岡山も、地味ですがじりじりと数を増しています。


それにしても、感染者が出るとすぐにどこの誰だか特定されて、
SNS上で晒されたりする傾向は、どこの地域にもあるようですが、
どうしてこういうことになるのでしょうね・・・

こんな非常事態に旅行したり、避けるべき行動をとったりして感染し、
周りに迷惑をかけるのは許せないという、ある種の正義感が、
そうさせるのでしょうが、それならば、人を晒しものにしたり、
攻撃したりすることも、正義に反するはずですよね。


また、外出自粛のため、家族がずっと一緒に居ることで、DVが増えていると、
言われてもいますね。コロナ離婚も増えそうだとか・・・
人間とは悲しいかな、一人では生きていけないくせに、
親子、夫婦、恋人といえども、ずっと一緒に居ると煮詰まってきて、
苦しくなるものです。
普段は、なんとか折り合いを付けて保っていますが、こういう非常事態には、
折り合いを付ける余力を失いがちで、お互いに許容範囲が狭くなります。


本当は、こういう時だからこそ、皆が助け合い、支え会い励まし合って、
この難局を乗り越えないといけないのに、情けないですよね・・・

何か非常事態に遭遇した時、その人の本性が見えてきます。
普段、穏やかな物分かりのいいことを言っている人や、
理路整然と自論を展開して頭脳明晰な感じの人が、
一たび尋常でない状況に置かれると、「えェ〜?この人こんな人だったんだ」
と、驚きとともに失望するようなことがあります。

こういう時だからこそ、一人一人の真価が問われるときです。
人類の歴史的にも、人の人生においても、困難にぶつかった時、
そこから何かを学び、何かが生まれ、何かが発展し、成長していく、
そのチャンスを活かさずに、人を攻撃してる場合じゃありません。


 治療室の小窓〜徒然なるままに〜トップへ