第19話  じっと我慢のしどころ 本文へジャンプ

第18話では、新型コロナウイルス感染者がまだ岡山で確認されていないと、
書いていましたが、現在すでに15人になり、
東京を始め7都市に緊急事態宣言が発出され、医療崩壊の危機が
迫っていると危ぶまれています。
思えば1月7日頃、中国武漢での新型肺炎のニュースが手短に報道された、
あの頃は、対岸の火事の様でしたが、たったの3か月で、
日本中が大混乱に陥っています。
日本中どころか、世界中ですね・・・
たった3か月で、世界中がこの様に壊滅的な大打撃を受けるというのは、
誰もが予想だにしていなかったことでしょう。
災害にしろ、戦争にしろ、いつもどこかで起きてはいますが、
それは世界中のごく一部であって、何も無い国や地域から支援の手を、
差し伸べることができます。
しかし、こうも全世界に蔓延してしまっては、各国が鎖国状態に陥り、
自国の感染対策に必死で、他国のことどころではありません。

それにしても、この新型コロナウイルス感染防止のためには、
人と人との距離を拡げ、コミュニケーションを最小限にしないといけません。
一日に10人の人と接触するのを、極力2人に減らすように、
即ち、人との接触を8割削減するよう国は推奨していますが、
そうなると、本当に社会生活が営めないことになります。
ただ、専門家も、このことを国民皆が実践すれば、それが最も早く、
効率的に収束へ向かわせる道だと言っています。
とても苦しいことですね・・・
でも、ここが、じっと我慢のしどころなのでしょう。

当クリニックでも、従来から消毒など励行してはいますが、
3月に入って、さらに感染対策を徹底しています。
もともと完全予約制でひとり一人の治療時間が長いので、
大勢の患者さんがひしめくタイプの治療院とは違い、
「先生のところは安心」と言ってくださる患者さんもおられます。
幸い暖かくなってきたので、患者さんの姿が外から見えないように
工夫しながら窓を開け、治療後ごとに手の触れる箇所の除菌や、
ウイルス除去機能搭載の空気清浄機の設置など、
可能な限りの対策を講じています。
でも、当クリニック最高齢1位、2位の94歳と92歳の患者さんには、
しばらく来院を控えていただいています。
「先生、腰が痛いから行きたいんじゃけど・・・」
と言われますが、「腰が痛くても死にゃあせんからね」と。(笑)

ただ、やはりしばらく来院を控えようかとの考えの方もおられるし、
また、必ず予約時に仕事やプライベートの用事で県外へ出て帰ってきたか、
あるいはちょっとでも風邪気味かをお尋ねし、
該当する場合は2週間ずらして予約していただくようにしていますし、
患者さん自らその件で「ご迷惑をかけたらいけないから」と、
キャンセルしてこられることも増えました。

寂しい日が増えてきました。

じっと我慢のしどころです・・・

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