最近、有名芸能人などが乳がんになったという情報が多く報道され、
乳がん検診に行く女性が増えたと言われていますが、
日本は諸外国に比べ、まだまだ検診率が低いようです。
検診に行って、乳腺症がありますが心配ありませんと言われ、
そのまま安心して何年もチェックしていなかったら、
いつのまにか乳がんになっていたということもありますので、
やはり、毎年検診を受ける必要があります。
乳腺症のしこりが乳がんに移行することはないと言われていますが、
ただの乳腺症だからと安心して放置している間に、別の場所に、
新たながんが発生してしまうという危険性があるからです。
乳腺炎は、授乳中の乳腺に炎症が起き、熱を持って激しく痛むものですが、
乳腺症は、中高年の女性に多く、しこりができて痛むことで、
よく、乳がんと間違えて慌てる人もあります。
乳腺は、卵巣ホルモンの影響を受けて毎月の生理周期に伴い、
増殖と委縮を繰り返していますが、中高年になるとそのバランスが崩れ、
増殖と委縮の狭間でしこりができてしまいます。
乳腺症のしこりは痛みを伴い、つるりと丸く、触ると動きますが、
乳がんのしこりは末期でない限り、痛みは無く、ごつごつと不揃いで、
硬くて動きません。
これは、自分の胸にあるしこりが乳がんかそうでないかの,
セルフチェックの目安となりますが、
あくまでも、専門医を受診するのが一番です。
乳腺症は乳がんと違って命の危険性は伴いませんが、
この痛みも、決して楽な物ではありません。
彼女は、看護師さんなので、当然チェックは怠っていませんが、
生理周期に伴い、しこりが大きくなると脇の下まで痛くて腕が挙がらないとのこと。
大体、乳腺症は、肩凝りと連動しているので、
まず、肩の凝りをほぐさないと、しこりの痛みも取れません。
看護師さんの患者さんには、お仕事がら、肩凝り腰痛が多いのですが、
彼女も例外なく、激しい肩凝りです。
初診時、ちょうど最悪な状態で、左の脇の下のリンパ節が硬く腫れ、
「点滴を吊り下げるのが一苦労です。イテテって顔をしかめてやるもんだから、
患者さんが心配してくれて・・・
急いで走ったりして胸が揺れるとすごく痛いし。」
超極細の鍼で、脇の下から鎖骨周辺、胸へと鍼をし、
頸や肩に低周波と温灸をし始めると、彼女もやはり、眠り始めました。
痛くない右側も治療した後、「起こしてごめんなさいね。」と言いながら、
うつ伏せになってもらい、背中に熱めの温灸を。
こういう場合、背中も激しく凝っているので、
「熱いんだけど、めっちゃ気持ちいい。」
治療後、「なんかすごく楽!腕も挙がるし。助かりました。」
当クリニックの治療日とお休みの日がなかなか合わないので、
次の来院日は、月が変わってからでしたが、
「この前の治療の日から1カ月程すごい楽でした。
点滴も吊るせるし、服の着脱もスムーズです。
でもサイクル的にまたケアしといた方がいいかなと思って来ました。」
また、うとうとしながら治療を受け、治療後、
「ああ、気持ち良かった!幸せ!」
「でもね、先生、看護師に乳がんが多いんですよね。
夜勤の多い看護師や国際線の乗務員とかに、
乳がんの発生率が高いって学会でも報告されてるらしいし、
実際、私の周りにも結構いるんですよ、乳がん。」
「確かにそれは聞きますね。」
夜勤の多い看護師さんや国際線の乗務員さんは、
いずれも、相当なストレスにさらされる職業と言えますし、
多忙な為、つい検診を怠ってしまうということもありますが、
「乳がん発生のメラトニン仮説」というのがあって、
夜間に強い光を受けるとメラトニンの分泌低下を引き起こし、
乳がん発生率が高くなると言う説もあります。
「そういうのを理由に看護師やめた友達もいるんですけど、
そんなこと言ってたらなんもできませんよね。
じゃあ、看護師やCAはみんな乳がんになるんかってことになるし、
乳がんになる人が皆、不規則な生活してるのかって言ったら、
そんなことはないだろうし。
先々のことをあれこれクヨクヨ心配する気質の方が、
よっぽど、がんになりやすいんじゃないかと私は思うんですよね。
私は何事も、なるべくしてなるって思ってるんで。」
「お見事です!その調子なら、NK細胞が多いでしょうから大丈夫よ。」
「でも、小林麻央さん、頑張ってますよね。
彼女のブログ見て、励まされてる人がすごく多いから、
その人たちの為にも彼女には奇跡を起こしてほしい。」
本当に、そのとおりですね。
(’17.2)
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