オリンピックが終わりました。
どこの国かのメディアに「呪われたオリンピック」とまで言わしめた、
前代未聞のオリンピックが、取り敢えず無事に終わりました。
開会式も閉会式も、台風の接近が危ぶまれたのを免れ、
最も懸念されていた、オリンピック中止を余儀なくされる程のバブル内の、
大きなクラスターも発生せず、サイバー攻撃によるトラブルも無く、
取り敢えず無事に終わって良かったですね。
どんなに完璧を期して開催する平時のイベントでも細かいトラブルは、
付き物なのに、誰も経験したことがないコロナ禍でのビッグイベントを、
ここまで仕上げた、現場で実際に汗をかいた多くのスタッフや、
ボランティアの方々に、心から、本当にお疲れ様でしたと言いたいです。
そして、言うまでもなく、多くの国民が、選手達の活躍に感動し元気をもらい、
コロナ禍の生活で久しく味わってないワクワク感を楽しみましたね。
私も、元々、スポーツ観戦は大好きですし、今回は、他国開催の時のように、
深夜に観なくてはいけないことがなかったので、とても楽で、
目頭が熱くなったり、胸が熱くなったり、声が熱くなったりしながら、
楽しませていただきました。
しかし、しかしです・・・
オリンピック開催時、国立競技場の周辺や札幌のマラソンルート周辺に、
人々が密集していたり、オリンピックムードの祝祭感なのか東京中心に、
街の人流が増加したり、それらが直接の原因なのか解りませんが、
この半月ほどの間に、全国的に感染者爆増傾向で、事態は深刻です。
しかも、オリンピックが終わった途端に、これまた全国的に、
お盆休み直撃の悪天候がずっと続き雨が降りやみません。
神様からの「日本人よ、出歩くな！」とのメッセージかもしれませんが、
各地で水害が頻発しているのは止めていただかないと困ります。
次から次へと試練続きの日本ですが、ここは我慢ですね・・・
年配の患者さんが、「オリンピックがすごく楽しかったから、なんか、
ロスが強くて・・・」と言われたので、「解ります。そうですよね。
でも、まだパラリンピックもありますよ。」と言うと、
パラリンピックは、痛々しくて観るのが辛いと言われました。
確かにそう感じる側面があるのは否めませんが、
「でもきっと、パラリンピアンは国民に観てほしい、応援してほしいと、
思ってるはずですよ。」と伝えました。
先日、仕事の休憩時間にお弁当を食べながら聴いたラジオ番組で、
乙武洋匡さんが、「TVに出る時はいつもジャケットを羽織るんだけど、
ある番組にその日はあまりに暑くて半袖で出演したら、
長袖を着ろ、さらけ出すな、観たくないとSNSで叱られたんだけど、
そういう考えは違う。危険だ。」と発言されていました。
生まれつき障害のある人、途中で事故や病気で障害を負った人。
どうして自分はこんなふうに生まれてきたんだろう？
どうして自分がこんな目に遭わなけれがいけないんだろう？
何度、そう自分に答えのない問いかけをし葛藤し落ち込んだことか。
でも、何かのきっかけでパラスポーツと出会い、苦しみから這い上がり、
障害を持つ自分自身のありのままを受け入れて前を向き、
自分の身体の不便さを我慢しながらそこに工夫を加え、
パフォーマンスを磨くたゆまぬ努力をし、やがて輝きを放つ。
その姿に目を背けることは、勿体ないと思いませんか？？
今の、試練まみれの日本人こそ、
「なんで自分がこんな目に遭わなければいけないんだろう。」
「思いどおりにならなくてイライラする。」
「自分の人生なんてクソみたいだ。」
そう思っている世界中の人々こそ、
彼らの姿から学ぶこと、勇気づけられることは、限りなく多く、
皆が苦しい今だからこそ、心から彼らと思いを共有することが、
できるのではないでしょうか。
そしてそれは、彼らにとってもこの上ない喜びではないかと思うのです。
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