第21話  「JIN-仁」に思う 本文へジャンプ
4月末から5月中に、6回にわたって「JINー仁」の再放送が
ありました。 
このドラマは、2009年に第1期、2011年に完結編が、
TBSで放送されたもので、当時は毎週楽しみに観ていたものの、
常に用事をしながらだったので見逃しているシーンも多く、
この度の再放送を心待ちにしていました。
何度観ても、このドラマは素晴らしい!!の一言です。
豪華俳優陣の演技力もさることながら、
本当に自分自身が江戸時代にタイムスリップして、
共に体験しているような臨場感を味わえる演出。

南方仁という外科医が、江戸時代にタイムスリップして、
コロリ(コレラ)の治療に奮闘するシーンは、まさに現在の、
日本中の多くの医療従事者の姿と重なり、心震えるような、
感動を覚えました。
そして最後のシーン、咲さんとの時空を超えた愛の結末は、
涙無くしては観られません。

また、何度観てもそのたびに教えられるのは、
人間は皆、自分が現在置かれた環境が仮に
不本意であったとしても、そこで精いっぱい
生きていかなくてはいけないということです。
仁先生は、突然、江戸時代に身を置くことになり、
その日から、何もかも便利な現代とは違う不慣れな生活を
始めることになります。
手術道具も医療器具も無い環境下で、工夫して手作り道具を
駆使し、人々に手術を施し、病から救っていきます。
とにかく、日一日と時が進んでいく以上、前へ前へと進むしか
ありません。
「こんな時代に来たくなかった」とか「こんな環境じゃ何も
できない」とか「こんな生活嫌だ」などと言っても、
とにかく与えられた環境で、できる事をできるだけやって
前へ進むしかないのです。

今、まさにコロナ禍にあって、多くの人が自分の置かれた
環境への不満やイライラや不安で圧し潰されそうになっている時、
与えられた状況で工夫し、できる事をできるだけやって、
とにかく前へ前へと進むしかないのだと、
教えられている気がしました。

私のクリニックでも、色々とコロナの感染予防のための工夫をし、
かえって良かったなあと思うことが多い今日この頃です。
そして、こんな状況でも欠かさず来院してくださる患者さまには、
本当に感謝感謝で、毎回陰ながら手を合わせています。
それだけ私との信頼関係が強いのだと思うとありがたく、
ますますしっかりと頑張らねばと励まされます。

秋冬には、第2波第3波が来ると言われていますが、
とにかく、仁先生を見倣ってできる事、工夫を怠らず、
このしんどい時期をひたすら前へ前へと進むしかありません。

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