第33話   最後の砦
              〜  自然治癒力の回復  〜  
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「以前は、マッサージしてもらっても長持ちせんし、温泉に浸かっても、
却ってひどい頭痛がしたりしてたけど、最近は楽ですわ〜」
働き盛りの彼は、社長さんで、岡山にいるのは月に数日程度。
日本はおろか、海外にも足を伸ばし、じっとしていることはありません。
無論、ストレスも半端無く、どうしよもない疲労感に苛まれると、
滞在先のホテルのサロンで、よくマッサージ等を受けたり、
ご当地の温泉に行ったりするそうですが、
当クリニックへは、2年ほど前から年に数度来院されています。

「月1が理想やけど、2,3カ月に1回くらい鍼しといてもらうと、
後は、マッサージや温泉でなんとかしのげるし、そうしよってもおえん時は、
ここへ来たら一発でようなるから、まあ、“最後の砦”つぅとこかな?」
勿論、彼も、「治療中は爆睡」型で、「鍼しながら寝るんや言うたら、
鍼なんか怖いいう奴に『ちょっと神経がおかしいんちゃうか』言われましたわ。」
いえいえ、治療中に爆睡される患者さんは意外に多く、
「神経がおかしい」などということは決してありません・・・

「鍼灸治療」のページでもご紹介しているように、
鍼灸治療には、本来誰にでも備わっている自然治癒力を回復させ、
活性化させる効果があるので、何度か受療しているうちに、
「自分で治す能力」が次第に高まってきます。
なので、最初の頃は、どうしようもない程ひどい疲れ方だったのが、
しばらく鍼灸治療を受ける事により、
ちょっと、温泉に行ったり自分でストレッチしたりマッサージしてもらうと、
回復しやすくなってきます。
この、自然治癒力が回復してくるまでの鍼灸治療の長さには、
当然、個人差があるので、早く効果が出る人と、ちょっと時間がかかる人が、
あります。彼の様に、年に数度の治療で充分な人もあります。

ここで、誤解しないでいただきたいのは「鍼灸治療を受ければ疲労しなくなる」
と、いうのではありません。
「先生、二度と肩コリも疲労もせん治療いうのはないんですか?」と、
無茶振りされる患者さんが、必ず何年かに一人位出現しますが、
そういう患者さんに私が必ず言うのは、
「年末に家中完璧に掃除しても何日かしたらまた汚れてきませんか?
ごみ収集日に家中のごみを一つ残らず出しても、鼻をかんだら早、
ごみが出ますよね?人も、生きているということは刻々と汚れているんです。
だから、日々の汚れを溜めないように小まめにストレッチや運動をし、
それでも溜まってきたら、治療を受けるというのが理想です。」

「鍼をしても、またすぐ元に戻るから意味が無い」という人は、
年末に大掃除をしてもまたどうせ汚れるから意味が無い、
ごみ収集日にごみを出してもまたどうせ出るから意味が無い、と、
思っているのでしょうか?
それでは、「ごみ屋敷」になってしまいますよね!!(>_<)

当クリニックの患者さんに、日々、換気扇やレンジ周りをできるだけ小まめに
掃除し、何年かに一度、お掃除屋さんに綺麗にしてもらうと、
後の自分でするお掃除がすごく楽、という方がおられますが、
そういう感じで、鍼灸治療も受けていただけるといいと思います。
日々の小まめな努力はご自分で・・・「最後の砦」として、
鍼灸治療をご利用ください。            (’16.1)

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