第34話 The Show Must Go On
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TOKYO2020がいよいよ開幕ですね。

菅総理ではありませんが、前の東京オリンピック開催時、私は小学生でした。
ファンファーレの高らかなトランペットの音色に気分が高揚して、
競技場の上空にジェット機で見事な五輪が描かれる様に驚き、
(当時はブルーインパルスなどとは言ってなかったように思います)
国民皆が、希望に満ち溢れた今後の日本の輝かしい未来を信じて疑わず、
自分たちの国を誇りに思う何とも言えない一体感に包まれ、
子供ながらも感動し、テレビにかじりついていたのを鮮明に覚えています。
当時は、オリンピックを観るために初めてテレビを購入した家庭が多く、
(勿論、白黒テレビです)まだ購入していない家庭の子供や大人たちが、
テレビのある家に集まってきて、さながらパブリックビューイング状態で
ワイワイ大騒ぎで観ていた・・・
まさに昭和の風景そのものです(笑)

今回は、誰も予期できなかったコロナ禍に見舞われた謂わば不運な大会。

前回は戦後からの復興がテーマで、今回は震災からの復興がテーマでした。
本来ならば、「コロナからの復興」と銘打つことができていれば最高でした。
しかし、そう甘くはいかず、そもそも今回のオリンピックは、国立競技場の
デザインのスッタモンダから始まりギリギリまでトラブル続き・・・
東京をはじめ全国的に、また感染者が増加傾向にあり、
日本という国への不信感と先が見えない不安が渦巻き、
前回のオリンピックとは甚だしく真逆で、残念としか言いようがありません。

しかし、アンケート調査によると、オリンピック開催に反対の人達でも、
オリンピックが始まると、競技を観るのが「楽しみ」と答えた人と、
「どちらかといえば楽しみ」と答えた人合わせて70%超という、
結果だったようで、競技場やパブリックビューイングで盛り上がれなくても、
スポーツバーで酒盛りができなくても、
国民の多くが、オリンピックをやるからにはテレビの前で応援しようと、
思っているということですね。
それは、国民皆が、オリンピアン達のこの5年間の並々ならぬ苦労を、
知っているからに他なりません。
去年に照準を合わせた調整が無になり、その後も練習がままならず、
直前まで開催の可否が不明だったこの長きにわたったモヤモヤ感。
どれほどモチベーションを保ち自分を律して前を向き続けることが
困難だったことか・・・
それをよく解っているからこそ、心から応援したい!!
オリンピック開催に反対の人達でさえ、そう思うのでしょう。

そもそも、アスリート達の活躍は、私たちに勇気と元気を与えてくれます。
先日の、Sho-Timeも、そうでしたね。
大谷翔平選手のオールスター戦での投打二刀流と、その前日の、
ホームランダービーへの出場は、テンション駄々下がりの日本に、
活力を与えてくれました。
彼の、「野球が大好き」「野球をすることが楽しくてたまらない」という
気持ちが、パフオーマンス全てからほとばしっていて、観ているこちらも、
楽しくなってくる。
これが、スポーツの力とよく言われる所以ですね。
ただ毎日働いてご飯を食べて生活するだけでは、人間の知的欲求は
満たされません。
音楽をはじめとする芸術やスポーツを全身全霊で楽しむことが、
制限されている中で、せめて、これから始まるShowをやるからには、
最後まできっちりとやりきるしかないのだと思います。

みんなでテレビの前でしっかり応援しましょう!!


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