第38話  自分を理解し周りを信じる 本文へジャンプ
今年のプロ野球日本シリーズの面白さは格別でした。
私はアンチ巨人である以外、(巨人ファンの方ごめんなさい<(_ _)>)  
特にプロ野球にこだわりはないので、純粋に試合を楽しむことができました。
ヤクルトもオリックスも互いに最下位から大どんでん返しのリーグ優勝。
激突してからは、一進一退の最後まで何が起こるか解らない好ゲーム。
そして優勝を決したゲームは、選手たちの吐く息も白く見える寒さの中での、
延長12回・・・

ある意味容易に予想できる優等生同志のありがちな攻防ではなく、
予想不可能な、本当にエンターテインメント性に富んだ素晴らしいゲーム。
両チームの選手達や監督、スタッフ、そして寒い夜遅い球場で
応援し続けたファンの皆さんにお疲れさまでしたと言いたいです。
特に、吾が岡山出身の、オリックスの山本由伸投手は好投むなしく、
負けてしまいましたが、オリンピックでも大活躍し沢村賞も受賞して、
今後の活躍がとても楽しみです。

最下位からの優勝・・・これは勿論簡単なことではありませんよね。
監督の采配も重要ですし、それに答える選手たち一人一人の努力は、
並大抵のものではないはずです。
日本一に輝いたヤクルトの高津監督の「絶対大丈夫!!」という
スローガンは、「自分を理解し周りを信じてチームが一枚岩になる、
その為の準備をしっかりすれば絶対大丈夫」という意味なのだそうです。

「自分を理解し周りを信じる」・・・こういう努力をしていれば・・・
そう思えるような事件がこのところ相次いでいます。

誰にでも、自分を認めてほしい、評価してほしい、褒められたいという、
「承認欲求」はあるものです。
それが仕事や生活のモチベーションに繋がることは言うまでもありません。
しかし、SNSの普及によって、「いいね!」がより多く欲しいという、
承認欲求の暴走が止められなくなるタイプの人が増えています。
「いいね!」がもらえない自分に自己嫌悪を感じたり落ち込んだり、
「いいね!」の数を増やす為に無理をして虚勢を張ったり、
いっぱいもらっている人を妬んだり・・・
自分への絶望が極端に走ると、家族や他人を傷つけるような、
凶悪な事件を起こしてしまう。

自分の人生が思いどおりにならない
社会や周りが自分を正当に評価してくれない
自分が今こんな境遇にあるのは社会や周りが悪い
自分なんか価値が無い

高津監督の言う、「自分を理解し周りを信じる」
これが欠けている気がします。
「自分」という人間はこの世で一人しかいません。
他人と比べる前に、まずありのままの「自分」を理解する。
そして、決して一人で生きているわけではなく、周りの様々な人たちの、
有形無形の支えがあって生かされているのですから、それを信じる。
それができれば、最下位のチームが優勝するように、
最低だと思っている自分の人生の大逆転劇を演じることは、
不可能ではないはずです。

凶悪事件を起こす一部の極端な人だけでなく、コロナ禍によって、
自信を失ったり自分の存在価値が解らなくなったりしている多くの人に、
この言葉が届くといいなあと思います。

それにしても、BIG BOSS率いる日ハム、来年どんな活躍を見せてくれるか、
今から、とても楽しみですですね!


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