梅雨入りも間近になってきました。
この数年、温暖化の影響もあってか、気候不順が半端ない感じですね。
特に、今年に入ってからは一日のうちでも朝晩と日中の寒暖差も激しく
数日暑い日が続いたと思ったら急激に寒くなったりと、ジェットコースター
に乗せられて振り回されているような状態で、体調管理が大変です。
当クリニックにも、薬を飲んでも全然収まらない片頭痛やめまい、耳鳴り
関節痛などを訴えて来られる方が、以前よりも多い気がします。
もともと、東洋医学には、気候状態が身体に及ぼす影響を踏まえた考え
方がありましたが、従来の西洋医学にはそういう観点は無く、以前には
「なんか体調が悪いと思ったら、台風が遥か南海上に発生したと、天気
予報で言ってて、私、天気予報より早いんです、とお医者さんに言ったら、
そんなバカなことはないよ、と笑われた」などと、患者さんが辛がる話を
聞くことが少なくなかったのですが、最近ではすっかり変わってきました。
昨年の話になりますが、「全日本鍼灸学会」の神戸大会がこの時期に
あり、私はZOOM参加したのですが、「気象関連痛(天気痛)の
メカニズムと対策」というテーマで、中部大学の佐藤純先生の講演が
あり、最近の研究で気象による身体への影響が明らかになってきたと
いう、お話がありました。
気圧の変化により交感神経緊張、血圧上昇、心拍の上昇が起こり、
これは、ネズミでも同様の結果が見られたということです。
では、この気圧の変化をどこで感じているかというと、内耳にその
センサーがあり、過敏な人は、気圧の上昇時にも下降時にも、
体調不良を感じるようです。
特に気圧が下がると、高い山に登るとポテトチップスの袋がパンパン
に膨張するように、血管が拡張し水分の滞留が起きやすくなります。
この、水分の滞留がさまざまな症状を引き起こすので、日頃の運動、
また、ストレスを貯めないことが重要ということでした。
佐藤先生は、鍼灸の学会で講演をしてくださるくらいですから、鍼灸
に対しても、その効果を期待していると話されていました。
ウェザーニュ―スの「天気痛」のコーナーを監修されて、先生考案の
「耳体操」←こちらから見られる有名な耳体操はTVでご存知の方も
多いのではないでしょうか?
毎日、お風呂に浸かる時に実践して天気痛が楽になったという患者
さんも多いです。
温暖化が進み、生き辛い地球となっても、この環境でとにかく生きて
いかねばなりません。
知恵と工夫と運動と鍼灸治療で順応していきましょう。
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