第7話  受け止め方を変えてみよう 本文へジャンプ
夏休みも終わりましたね。
年々、残暑が長引き夏休み明けの子どもたちは大変です。
始業式をリモートで行ったり、9月に運動会がある学校は、
組体操などの練習を冷房の効いた屋内でやったりと、

そうでなくても忙しい先生方の苦労もひとしおですね。

夏休み中に、何人かの小学生が当クリニックに来院しました。
ひと昔前は、鍼灸院に来る子どもたちといえば、乳幼児の、
夜泣きかんむし、少し大きい子の喘息、捻挫などが主流でした。
最近は、「食欲が無い」「夜眠れない」「なんか身体がだるい」
「頭が痛い」「肩が凝って痛い」「腰が痛い」・・・
まるで中高年のような症状を訴える子が増えて
、時代の推移を
痛感します。
そして、「めっちゃ気持ちいい」「あぁ〜リラックスできる〜」と満喫し
治療後は「もう、終わったん?はやっ!あっという間」との評価で、
親御さんは苦笑い・・・

「いいなぁ〜私も本当は受けたい」と言って頸を左右に曲げながら、
子どもさんの治療の終わるのを待って、習い事に連れていく為、
時計を見ながら急いで帰って行かれます。


その中の一人、お腹がよく痛くなると来院した小学6年生の男児。
最近、気になる事があって、それを考えるとお腹が痛くなると。
「6年生は最高学年だから、1年生や2年生など下級生の面倒を
みてあげようね」と先生が言って、下級生と触れ合うような行事や、
イベントがよくあって、「言うことを聞かん下級生とかうるさいヤツ
とかいて、めっちゃ疲れてお腹が痛くなる」と。
温灸器でお腹にお灸をすると「気持ちいい〜」
「確かに言うことを聞かん子やうるさい子は大変じゃね・・・」
「でも、○○君が大人になって社会に出たら、年上の人年下の人
言うことを聞かん人やうるさい人、きっと、色々いると思うよ。
ものすごく年下のうるさい彼女ができるかもしれんし(笑)
先生は、その時のためにトレーニングさせてくれとるんよ。
トレーニングがすんだら、○○君きっとグレードアップしとるよ」
と言いながら治療が終わりました。
彼は「お腹がいい感じ」と、にっこりして帰っていきました。

大人でもそうなのですが、決して嬉しくない事態に見舞われたり、
自分には荷が重いと思われるような仕事が回ってきたり、
自分のペースを乱すような人間関係の渦中に身を置く羽目に
陥ったり、いつも都合のいい事ばかりではなく、自分にとって、
心地よくない課題が次々に与えられるのが人生ですよね。
その時のマイナスな受け止め方がその人の身体の弱点と紐づき、
そのマイナスの感情を反芻することでさらに身体の不調が増す・・
この悪循環に陥ると、なかなか不調が治りにくくなってしまいます。
心理学では「破局的思考」といいますが、破局的な受け止め方を
しない、受け止め方を変えてみるということが大切です。
難しいことですが、その都度、受け止め方を変えてみようとする、
それだけで違ってきます。同じような境遇に置かれても比較的上手に
対処できる人との違いはまさにそこにあります。

彼が帰った後、隣のベッドにいた1歳の子育て中の患者さんが、
「先生、勉強になりました。子どもが悩んでる時に親があんな風に
アドバイスしてやるといいんですね。マイナス思考にさせんように。
長い人生、壁にぶち当たっても自分で乗り越えれるように育てるって、
親の大事な務めですね」
思わず、彼女に拍手です!!

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