夏休みも終わりましたね。
年々、残暑が長引き夏休み明けの子どもたちは大変です。
始業式をリモートで行ったり、9月に運動会がある学校は、
組体操などの練習を冷房の効いた屋内でやったりと、
そうでなくても忙しい先生方の苦労もひとしおですね。
夏休み中に、何人かの小学生が当クリニックに来院しました。
ひと昔前は、鍼灸院に来る子どもたちといえば、乳幼児の、
夜泣きかんむし、少し大きい子の喘息、捻挫などが主流でした。
最近は、「食欲が無い」「夜眠れない」「なんか身体がだるい」
「頭が痛い」「肩が凝って痛い」「腰が痛い」・・・
まるで中高年のような症状を訴える子が増えて、時代の推移を
痛感します。
そして、「めっちゃ気持ちいい」「あぁ〜リラックスできる〜」と満喫し、
治療後は「もう、終わったん?はやっ!あっという間」との評価で、
親御さんは苦笑い・・・
「いいなぁ〜私も本当は受けたい」と言って頸を左右に曲げながら、
子どもさんの治療の終わるのを待って、習い事に連れていく為、
時計を見ながら急いで帰って行かれます。
その中の一人、お腹がよく痛くなると来院した小学6年生の男児。
最近、気になる事があって、それを考えるとお腹が痛くなると。
「6年生は最高学年だから、1年生や2年生など下級生の面倒を
みてあげようね」と先生が言って、下級生と触れ合うような行事や、
イベントがよくあって、「言うことを聞かん下級生とかうるさいヤツ
とかいて、めっちゃ疲れてお腹が痛くなる」と。
温灸器でお腹にお灸をすると「気持ちいい〜」
「確かに言うことを聞かん子やうるさい子は大変じゃね・・・」
「でも、○○君が大人になって社会に出たら、年上の人年下の人
言うことを聞かん人やうるさい人、きっと、色々いると思うよ。
ものすごく年下のうるさい彼女ができるかもしれんし(笑)
先生は、その時のためにトレーニングさせてくれとるんよ。
トレーニングがすんだら、○○君きっとグレードアップしとるよ」
と言いながら治療が終わりました。
彼は「お腹がいい感じ」と、にっこりして帰っていきました。
大人でもそうなのですが、決して嬉しくない事態に見舞われたり、
自分には荷が重いと思われるような仕事が回ってきたり、
自分のペースを乱すような人間関係の渦中に身を置く羽目に
陥ったり、いつも都合のいい事ばかりではなく、自分にとって、
心地よくない課題が次々に与えられるのが人生ですよね。
その時のマイナスな受け止め方がその人の身体の弱点と紐づき、
そのマイナスの感情を反芻することでさらに身体の不調が増す・・
この悪循環に陥ると、なかなか不調が治りにくくなってしまいます。
心理学では「破局的思考」といいますが、破局的な受け止め方を
しない、受け止め方を変えてみるということが大切です。
難しいことですが、その都度、受け止め方を変えてみようとする、
それだけで違ってきます。同じような境遇に置かれても比較的上手に
対処できる人との違いはまさにそこにあります。
彼が帰った後、隣のベッドにいた1歳の子育て中の患者さんが、
「先生、勉強になりました。子どもが悩んでる時に親があんな風に
アドバイスしてやるといいんですね。マイナス思考にさせんように。
長い人生、壁にぶち当たっても自分で乗り越えれるように育てるって、
親の大事な務めですね」
思わず、彼女に拍手です!!
|
|