第12話 「災害は忘れた頃に」を忘れないで!! 本文へジャンプ
西日本豪雨災害から1カ月余りが過ぎましたが、
復旧の道のりはまだまだ遠いのが現状です。
被害が比較的軽かった地域でも、掃除や洗浄の後、カビが来たり、
臭いが消えなかったり、また、ローンを抱えながらの家の改装、
家具や電化製品、車などを買い替える為の経済的負担は大きく、
今後の生活への不安を抱え、悩み多い日々を送っている方達が、
少なくありません。
まして、真備のように、壊滅的な被害を被った地域の方達は、
取りあえず仮説住宅に入居できても、今後のヴィジョンについては、
その心中察するに余りあります。


でも、出来る事から一つずつクリアして復興復旧に向けて頑張るしか、
ありません。

各地から、ボランティアの方達も大勢来て下さり、
遠方からわざわざ新幹線に乗って、
また、恩返しにと東北や熊本からからはるばる来て下さるなど、
ありがたいですね。本当に頭の下がる思いです。
こういう方達のお力を得て、また、被災者は「頑張らにゃいけん!」と、
思えるのです。

「人は一人では生きていけない」「困った時はお互い様」
と言う言葉の重みをしみじみと感じます。

地球温暖化による想定外の激甚災害や地震など、
毎年のように日本のどこかで災害が発生するようになってしまった昨今、
ボランティアの活躍は必須になってきています。
土砂や、壊れた家具や物の排出などの力仕事が最も必要とされますが、
それ以外にもさまざまな支援の仕方があります。
「尾畠のおじさん」がすっかり有名になりましたが、
ボランティアは、「自己責任」「自己完結」が基本です。
せっかく支援に行っても、現地で倒れたり動けなくなったりしては、
迷惑をかけて本末転倒になってしまいますし、
それがもとで、自分の本来の仕事を何日も何カ月もできなくなったり、
家族の手を煩わして迷惑をかけたりしたのでは、何をやっているのかと、
言うことになってしまいます。
自分の「身の丈に合った」支援を心がけるべきです。

「何もできなくて罪悪感を感じる」という人もおられますが、
現地に行って何かをする余力が無ければ、寄付をしたり、
現地の産物を買ったり観光したり、何らかの支援をしようと、
多くの方達が工夫をしてくださっています。
芸能人や著名人は、その姿を見せて、声をかけたり握手したりするだけで、
人々はなんか頑張れる気になるから不思議なものですし、
高校の吹奏楽部のメンバーが被災地の小学校を慰問演奏して、
子供たちが眼をキラキラさせて元気になったりなど、
このように、支援の形には色々あります。

岡山県鍼灸師会も、有志で被災地を訪問して治療を行ったりしましたが、
岡山という土地が、災害に慣れていない為に受け入れ体制も、
また我々の治療チームの災害時における体制も整っておらず、
今後の課題となりました。
個人的には私も、偶々、玄関先まで水が来たという患者さんのお宅に、
いつもの往診をサービスにし、ついでにご近所の皆さんにも、
身体中が痛かったり疲れている方が多く、
簡単な治療をして貼る鍼などをさしあげたりしたのですが、
鍼灸師である私には、こんなことくらいしかできませんが、
喜んでいただき、却って恐縮してしまいました。

今後、どこで何が起きても、もう「想定外」とは言えない以上、
一人一人の意識や備えも必要ですね。
「喉元過ぎれば・・」的に、人は時とともにすぐ忘れてしまいますが、
災害は忘れた頃にやってくるのですから、肝に銘じなければいけませんね。

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